2017-01-01から1年間の記事一覧
こんにちは。今回から、参加した勉強会の内容について自分の復習がてらまとめていきたいと思います。 2017年12月9日、JSEPTIC-CTG主催の勉強会に行ってきました。 内容としてはタイトルの通りで、「RCTの批判的吟味」を、あらかじめ出されたお題(今回は2017…
こんにちは。 先日β blocker内服中の患者さんがアナフィラキシーショックになり血圧が上がらず苦戦した例があったので簡単にまとめます。 実はこれ、救急あるあるなのですが、『β blocker内服中はアドレナリン作用が減弱する』『α blocker内服中はアドレナリ…
お久しぶりです。現在、外病院に出向中です。たまたまその病院で径カテーテル大動脈弁留置術(Transcatheter aortic valve implantation; 以下TAVI)を見学しました。 集中治療管理において大動脈弁狭窄症(Aortic stenosis; 以下AS)があると苦戦しますが、…
先日、小児のけいれん重責症例で、初療に難渋した症例があったのでまとめてみました。結果的には、他院へ転送になった症例なので、それが「熱性けいれんの重責状態」であったのか「脳炎などによるけいれん重責」だったのか、分かりません。 小児の場合は、熱…
お久しぶりです。本日は集中治療室における血糖管理についてです。 重症患者において、なぜ血糖コントロールを必死にやらなければならないのか、文献的背景を踏まえて解説したうえで、実際にどのように血糖コントロールを行うのかまとめてみたいと思います。…
本日は病棟ではよく見るけれど、なかなか理解の進まない「代謝性アルカローシス」の話です。 代謝性アルカローシスの理解をするうえで、 1、腎臓における重炭酸イオン調節の(簡単な)生理学2、代表的な代謝性アルカローシスの原因とその病態生理3、実際にど…
今回は、少し前にLancetで発表された “Effect of early tranexamic acid administration on mortality, hysterectomy, and other morbidities in women with post-partum haemorrhage (WOMAN): an international, randomised, double-blind, placebo-control…
今回から趣向を変えて、気になった論文にも考察を加えていこうと思います。 本日読んだ文献は2017年8月にJAMAのSpecial communicationに掲載されたEliminating Creatine Kinase–Myocardial Band Testing in Suspected ACS | Acute Coronary Syndromes | JAMA…
お久しぶりです。今回は、甲状腺機能低下症についてまとめてみました。 既往に甲状腺機能低下を持っている患者さんは一般病棟などでもよく見かけますよね。 ■甲状腺機能低下の疫学 入院患者の1%程度で見られると言われています。 続発性は原発性の1/1000程…
今日は、肝損傷に関するまとめです。 以前脾損傷のまとめを作成しましたが、今回は鈍的腹部外傷の中で最も頻度の高い肝損傷についてです。 ポイントとしては、いつも通り肝損傷の分類、治療、合併症の順に整理していきたいと思います。 ■肝損傷の分類 日本外…
今回は、よくある質問シリーズとして「病棟で心房細動の患者さんを見つけたらどうすれば良いのか」という話です。 今回のポイントは、 「心房細動は3つに分類される、初期対応にDCもしくは薬剤が必要になることもある、CHADSスコアを評価したうえで、抗凝固…
簡単なメモ書きです。 一般的に高K血症の初期対応として、カルチコール®の静注やGI療法など行われることが多いと思われますが、GI療法など割と慣習的にインスリン混注量を決めていたので、少し勉強してみました。 ■高K血症の初期対応 以下は循環器系のガイド…
お久しぶりです。本日、救急外来でサッカーの試合中に味方と激突して一過性意識消失を起こした患者さんが受診されました。頭のCTを取るのか、競技への復帰はどうするのか等議論になりましたので、軽症の頭部外傷に関して今回はまとめてみました。 基本的には…
最近、話題になったBNPの話です。 呼吸不全の患者さんでBNP値が高いから心不全だ、低いから心不全ではない、と実際の臨床ではやり取りがされることも多いと思います。本当のところ、どのような運用が良いのか気になったのでちょろっと調べてみました。 ■BNP…
今日は、脾損傷に関するまとめです。 脾損傷は、腹部の鈍的外傷の中では肝臓に次いで受傷することの多い臓器です。 ポイントとしては、目の前の脾損傷に対して、NOM(non operative management)が完遂できるのか、TAEを行う場合にどのように塞栓するのが良…
最近脳出血患者さんが多く、浸透圧利尿薬を使用する機会が多いため、本日は濃グリセリンおよびマンニトールについて述べたいと思います。 当院では前者はグリセレブ®、後者はマンニトール®が採用になっています。 ■浸透圧利尿薬の薬理作用 基本的には、「利…
最近、気管支喘息患者の担当になったので治療や呼吸器管理のポイントをまとめてみました。 気管支喘息患者に人工呼吸器管理が必要となった場合は、 ■気管支喘息の急性期治療 ■人工呼吸器管理をする際の注意すべきポイント の2つに注意すれば理解が進むかと思…
今回は、研修医の先生から質問の多い、鎮静薬についてのまとめです。 集中治療領域で主に用いられる「鎮静」薬をそれぞれ比較しながら使用するとよいと思います。 プロポフォール、ミダゾラム、デクスメデトミジンの3つがしばしば用いられます。 ■プロポフォ…